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個人事業主から会社設立した場合

今年の8月2日に、決算日を7月31日とした会社設立の登記申請をして、めでたく受理されたとします。
会社設立の日は、設立登記の申請日ですから、今年の8月2日になります。
会社設立の日には、実際に会社が出来上がっているわけではなく、約1週間後の設立登記の完了した日以降でないと、法人名義で銀行口座を開くことが出来ませんが、会社設立後は会社の事業を行うことができます。ただ夏休みで20日間休みたいとすれば、会社の事業開始は、8月21日からとなり、個人事業主の廃止は、8月21日までとなります。

今回は8月21日を前提として、個人と法人の税務申告について説明します。

1.会社設立(法人成り)した年の税務申告

まずは、会社設立(法人成り)した年の個人の税務申告から説明します。

(1)個人の申告

今年の8月20日をもって個人事業を廃止するわけですから、その日までは、個人事業が継続されています。
つまり、今年の1月1日から8月20日までの期間について、事業所得の申告が必要になります。(消費税も同様です。)
特に申告書の様式が変わることはありません。
事業所得の計算期間が短くなるだけです。
また、事業の廃止後、事業所得が無くなります。
そして、会社から受け取る役員報酬が、給与所得として申告書に加わります。
注意が必要なのは、次の2点です。

青色申告特別控除は期間按分しません。
年の途中で会社設立した場合でも、個人の事業期間が8ヶ月であっても、65万円全額控除できます。
会社設立の費用は、経費には出来ません。
会社設立の費用は、あくまでも法人が負担すべきものですので、個人の経費にするのではなく、法人の経費として計上します。
個人事業の廃業届も忘れずに提出しておいてください。

(2)法人(会社)の申告

最初の事業年度は会社設立日からスタートし、決算日が7月31日としています。
今回の場合ですと

  • ・会社設立の日:8月2日(設立登記の申請日)
  • ・事業の開始日:8月21日(法人としての実際の事業開始日)

会社の登記簿上、8月2日付けをもって、新しい会社が生まれたことになります。したがって、その日から法人としての事業年度が開始されます。いつから事業を開始したのか?は、別の問題なのです。

つまり、登記簿謄本に記載されている「会社設立の日」が、自動的に最初の事業年度の開始日になります。

事業年度の開始日(=会社設立の日)から、実際に事業を開始した日までの間は、会社として事業はスタートしていないけれど、開業の準備をしている期間ということになります。
8月2日から8月20日までの期間については、個人・法人の両方が申告対象期間としていることになりますが、

個人:
8月20日まで、個人事業を継続している。
法人:
8月2日から20日までは、開業準備をしている。

会社設立の費用はもちろん、開業準備のための支出は、すべて会社の負担となります。
個人が立替えた開業準備費用は、後日、会社に精算してもらうことになります。

2.個人事業から会社への資産・負債の引継方法

個人事業を営むうちに色々な事業用の資産や負債が保有していきます。
会社設立(法人成り)後、事業上の必要性から、法人に引き継ぐ資産や負債もあるはずです。
まずは、事業用の資産や負債には、どのような種類のものがあるのか、確認してみます。
事業用の資産には、棚卸資産、備品含む設備関連、売掛金等があります。
事業用の負債には、借入金、仕入先からの買掛金、経費の未払金等があります。
会社設立(法人成り)の時には、それら資産・負債のうち事業上の必要性があるものを、会社に引き継ぐ必要があります。

(1)資産負債の引継方法

法人で事業に使用する必要がある資産や負債を移すのですが、主に3つの方法があります。

①現物出資・・・必要な資産や負債を会社に出資する方法。

出資は金銭での出資が原則ですが、一定の条件のもと、現物、すなわち、経済的な価値のある有形・無形の財産を出資することが認められています。
負債は、資産とセットにして出資して、資産価値のほうが大きい場合であれば認められます。
会社設立(法人成り)のために、金銭出資ではなく現物出資を行う場合、会社法上は株式会社では、一定の場合を除き、検査役の調査が必要となります。

(一定の場合の要件)
  1. ①現物出資が500万円以下の場合
  2. ②市場価格のある有価証券を当該市場価格以下で現物出資する場合の当該有価証券
  3. ③弁護士、公認会計士、税理士から価額の相当性について証明を受けた場合(不動産については不動産鑑定評価も必要)

となり、会社の現物出資で検査役の検査が必要になると手間がかかり、時間と費用もかかります。
現物出資の際には、規制にかからない範囲で現物出資を行い、会社設立後に残りの事業用資産を売却するなどの工夫が必要になります。
会社設立時に(法人成り)時に、現物出資を使用する場合、検査役の調査が入らない範囲であれば手間がそれほどかからず、利用してもよいかと思います。

②売買・・・会社設立後、個人事業主から法人に売却します。

資産と負債をセットで売却することも出来ます。
個人事業主と法人との間で売買契約書を必ず作成し、そのなかで代金決済の期限も明記しておくべきです。
代金をいつまでも決済せずに残しておけば、個人が法人から借入をうけていると、税務署から見なされる恐れがあります。売買する場合は、資産と負債をセットすることもでき、また現物出資と異なり、負債の金額のほうが資産のそれより大きくても問題ありません。
差額を、個人事業主が会社に支払えば済みます。

③賃貸借・・・会社に賃貸する、貸し付ける方法です。

もちろん、貸し付けるわけですから、資産に限られます。

(2)資産や負債を引継ぎした場合の課税関係/会社設立(法人成り)による引継ぎ

①現物出資

会社設立(法人成り)時に、現物出資を行う場合、税法上はいったん資産を時価で譲渡し、売却代金を出資したものと扱われます。したがって、個人の側で譲渡益が多額に生じてしまうと、多額の所得税等が生じて納税額が個人の側で増加してしまいます。
それを逃れようと時価より低い金額で資産を出資しても、時価で譲渡したものとみなされて、個人の側では課税されてしまいます。

②売買

税法では、現物出資も売却と同じ取扱いなので、売買の方が、売買契約書を作るだけですから、現物出資より簡単であり、コストも少なくて済みます。

③賃貸借

会社設立時に資産を法人に売却するわけではないので、課税関係は生じません。

(3)会社設立時に資産・負債を会社に移すことによる税務上の長所・短所

(長所)
会社設立すれば、事業自体は法人に移り、個人事業は廃業するわけですから、減価償却費は経費になりません。
そこで、償却性資産を個人から会社に移せば、会社で減価償却費を経費にできます。
(短所)
会社に移すことで、個人事業主が、所得税と消費税を課税される可能性があります。
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